No.2 フロッグウォーカーとロープロケット
うれしい事に現在ではアーボリスト専用の器具がデザインされ使われるようになりました。DdRTのためにクライマーたちは数多くのプルージックコードの組合わせや、ARTのように先進的フリクションコントロールシステムを開発してきました。
SRTクライマーはユニセンダーやロープレンチやヒッチハイカーを手に入れました。これらの器具はアーボリストの作業に変化をもたらしています。
ユニセンダーもロープレンチも共にクローズドシステムとして考えられます。理論的にはどちらも補助器具によるバックアップは必要ありません。ペツルのアッセンションやクロールのようなオープンシェルタイプの器具はロープがカムから外れる危険性があるためバックアップを取るべきです。葉っぱや小枝もカムに挟まって滑る事もあります。
ユニセンダーもロープレンチもツリークライミングのためにデザインされているためこれらを使って人間工学的に優れた効果的なシステムを構築する事ができます。その代表的なシステムがロープロケットとフロッグウォーカーです。
まずはフロッグウォーカー
トップ=Petzl アッセンション(調節可能なフットループを付ける)
ミドル=Singing Tree ロープレンチ
DMMヒッチクライマー
BeeLine ヒッチコード
Tenex ルーピー(チェストハーネスとして使用)
ボトム=Petzl パンティーン
トップアッセンダーの持ち方を2通りお見せします。
まず、片手をアッセンションのハンドルに、もう一方で上方のロープを握る方法。この持ち方で、かぶさる葉や枝がカムに絡まないように退ける事が出来ます。
もう一つは、長いアッセントで疲れにくい方法です。チェストハーネスをきつく締めて体をうしろに傾けて体重を預け、両手をアッセンダーのトップにかぶせます。体力を温存するには小刻みなステップを、早く登りたい時は大きなステップを使います。
それでは次に、ロープロケット
フロッグウォーカーでは主にロープレンチより上の部分で身体を動かしましたが、ロープロケットでは全てロープレンチの下の部分で体を使います。トップアッセンダーをそのまま残し、次の道具に取り替えます。
小さなフットループ
バンジー(カバーを変えて)
アッセンダー1個(写真は PetzlミニトラクションとPetzlティブロックを使っています。)
アッセンダーを取り付け左足をフットループに掛け、パンタンをロープに取り付けます。バンジーをブリッジリングに通して(体力をより温存したい人はここにプーリーを付けます。)パンティーンに掛けます。ヒッチクライマーをチェストハーネスに取り付けたら立ち上がって出発です。両手も自然に体を支えて歩くように登っていきます。
ロープロケットは非常に効率の良いシステムです。僕はよりスムーズなミニトラクションがお勧めです。
どちらのシステムにおいても、パンタンの穴にスナップゲート(ロックなし)カラビナを付けておくと、不意にロープが外れるのを防いでくれます。